ジュニア探偵小説１　幽霊馬車　高木彬光　偕成社　（※検索用語：黒岩涙香・死美人・ボアゴベ・ルコック）【2025カレンダーの人気アイテム】

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kJ-e0e07e6226さん

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昭和43年・版数不記

カバー

本体数頁の下縁に少シワ（刊行時からのものと思われます）

ヤケ・シミ・イタミ

※1873年、41歳の若さで病死した流行作家ガボリオの死を惜しんだ先輩作家のボアゴベが、ガボリオの生んだ名探偵ルコックのキャラクターを借りて二次創作した『ルコック氏の晩年』（1878年）を、黒岩涙香が新聞小説として（物語の舞台はパリのままに、人物名を日本名に変えるなど珍妙な変更を施した上で）翻案したのが『死美人』（1892年）ですが、高木彬光がそれを更に舞台を当時の日本に移すという大改造をやってのける形で翻案するという、至ってややこしい経緯を踏んだ末に（しかも、以上の経緯に関して何の断りもないまま）世に出されたのが本作『幽霊馬車』（元版1951年）です。

なお江戸川乱歩が1956年に小山書店から『死美人』の現代語訳を出していますが（ただし実際には氷川瓏による代作）、現代語訳という意味ではこちら『幽霊馬車』の方が乱歩訳に先行していると言えます。

歴代の各テキストと比較しても様々な相違点が見られる本作『幽霊馬車』は、資料書誌としても貴重かつ興味深い１冊となっています。